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はじめに

本展示の大学院生が在籍する研究グループ「G4 インフォメーションデザイン」では、独自性のある研究テーマに沿って、情報伝達における情報の可視化の可能性を「表現的観点」と「理論的観点」で追及しています。

大学院という環境は学部教育で培った自身の能力を最大限に活かし、各々の研究と制作に取り組む場所です。2年間を通して、一人一人が持つ個性的な能力を柔軟に変形させ、「表現」と「理論」のクロス、自分とは違った他者との交錯によって、独自性のあるプライベートな軸が作り上げられます。そしてその各々の個性の爆発を、時代と共に可能性を広げているグラフィックデザインのパブリックな世界に拡散させることを目標とします。

今年で2回目を迎える本展示のタイトルは「XPAND」（エクスパンド）です。情報伝達の無限の可能性と拡散を意味する「expand」、そして「expand」の「X」を強調し、「表現と理論」の交錯をコンセプトに込めた造語です。

今年の展示は会期を２つに分け、インフォメーションデザインにおける表現的研究を主とした３名、理論的研究を主とした３名による2期制になります。それぞれの「インフォメーションデザイン」に対する問いや答えは多種多様ですし、「情報のデザイン」とは無限です。お互いを刺激し合い、各々の視点や表現を先生やクラスメートと交差させながら作り上げられた作品群を是非会場でご覧下さい。

「XPAND」展に寄せて ─ 加藤勝也

本研究グループ「インフォメーションデザイン」はこの意味を広義に捉え，ヴィジュアル・コミュニケーション・デザイン全般を指すものとして取り組んでいます．ここでは過去・現代と対峙し未来に向けて伝えるべき情報をどのように伝えていくかを発見し，視覚的・触覚的・聴覚的なモノへと展開しています．各人が全く異なったそれぞれのテーマと表現性を持ち，刺激し合いながら研究は行われています．このプロセスはまさに本展のタイトル「XPAND」．これは造語で「混ざり合い・展開する」というイメージです．

大学院修士課程で学生に望むことは，この場で研究するという意味を自らに問い，自身のスタンスを確立させ，独自な視点を育むことです．この場での試みは現社会への近視眼的な取り組みでは無く，10年後の新たな「標準」に繋がる取り組みであって欲しいと思っています．

本展のタイトルのように各作品は，まだまだ，混ざり合い展開している過程です．しかし，これから先，時代の標準を作り出すであろう若者達のメッセージを感じ取っていただければ幸いです．

なお，本展覧はTotodo，Dessinの店主である大和田悠樹さんの心意気で開催に至りました．改めてここに感謝を記します．

会期

会場

dessin | デッサン  2Fギャラリー

アクセス

東急東横線／東京メトロ日比谷線「中目黒」駅より徒歩3分

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